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活動状況

第13回江蘇国際農業博覧会

第13回江蘇国際農業博覧会(開催:中国江蘇省揚州市)における特別セッションにおいて、生物生産環境グループの矢部教授を中心に発表が行われます。

東アジア環境研究機構は、本特別セッションの共催となっております。

  • ● 日時 : 2011年 9月 23日~25日
  • ● 大会名 : 第13回江蘇国際農業博覧会
  • ● 場所 : 中国江蘇省揚州市
  • ● 大会URLはこちら : http://en.jsagriexpo.com/Article/ShowClass.asp?ID=10
  • パンフレット(一部抜粋)はこちら
  • ● 特別セッションの主旨
     中国における食肉需要の増加により、豚の出荷頭数は、2000年の5.26億頭から2006年には6.81億頭に増加しています。しかしながら、特に、大規模養豚場では、ふん尿やメタン発酵消化液の不適切な管理により、深刻な水質汚染を引き起こすとともに、CO2の21倍の温室効果をもつメタンガスが発生して地球温暖化の原因ともなっています。
     そこで、大規模養豚場を対象に、大量に発生するメタン発酵消化液について、先進的な液肥利用技術を導入することで、投棄の予防による水質改善、メタンガスの発生量削減による地球温暖化防止、養豚業者の汚染処理費用の軽減と耕種農家の化学肥料代替による収益性の向上を図るとともに、液肥を社会的に受け入れるための循環教育を推進するプロジェクトを実施しています。すなわち、東アジア環境研究機構による研究、JICA草の根技術協力事業(地域提案型)「金壇市における環境教育に基づく豚糞尿液肥利用の耕畜連携支援プロジェクト」(2010年4月から2012年3月)及び科研基盤研究(B)「コベネフィット政策に向けた日中共同実証研究 -有機性廃棄物と水質汚染防止-」(2010年4月から2013年3月)という3つのプロジェクトが一体となった研究を行っています。
     さらに、家畜や人間を問わず、有機性廃棄物を原料とした液肥研究も推進しています。例えば、下水道建設の費用負担が重く、農地がまだ多く残っている都市近郊地域であれば、し尿等を原料とした液肥製造施設は、一般的なし尿処理場に代替可能です。日本の福岡県築上町では、液肥製造施設の導入により、一般処理(高負荷脱窒素処理)に比較して、し尿処理の費用は50%削減され、二酸化炭素排出量は75%も削減され、液肥を利用している稲作農家の肥料代は90%も削減されています。したがって、自然エネルギーに依拠した郊外型スマート・タウン構想において、省エネルギーで有機性廃棄物の循環を目指す液肥利用は、今後の展開が多いに期待される分野と言えます。
     以上のような視点から、本セッションでは、最新の研究、先進的事例、今後の課題について6名の報告者から講演があります。そのうち、九州大学農学研究院からは、矢部光保教授が「液肥利用の意義と課題」、酒井謙二教授が「有機廃棄物の高温微生物変換プロセスにおける細菌群集構造の分子生物学的解析と制御」、凌祥之教授が「日本のバイオマス利用技術」について報告します。

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