
島岡 隆行 教授 ・ 中山 裕文 准教授 ( 工学研究院 附属循環センター・環境都市部門 )
焼却残渣のリサイクルで最も有望なものは、大量に使用できるセメントの代替原料であるが、その際に障害となるのが、焼却残渣に含まれている塩素 である。 本研究において、焼却残渣に微生物を有する廃棄物由来のコンポスト(脱塩促進剤)を混合後、熟成させ、自然降雨等により洗浄させることによって、難溶性塩素であるフリーデル氏塩を溶解させることに成功し、焼却残渣中の塩素含有量が0.02%程度まで低減可能であることを立証した。さらに、この技術シーズをフィールド試験によって実証し、焼却残渣の資源循環基地R/L【新しい概念を有する循環資源化施設:Recyclable Landfill】を中心とした焼却残渣のリサイクルシステムを構築することを目指した研究を進めている。
廃棄物適正管理を目的としたリモートセンシングによる新たなモニタリング手法を検討。
これまで、大規模な埋立地における廃棄物の安定化度を衛星リモートセンシングによって評価するため、覆土下の廃棄物から発生する埋立ガスや熱等の廃棄物の安定化度に関する指標と、覆土表面の植物活性度の関係について分析し、人工衛星から埋立地の植物活性度(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)をモニタリングすることで埋立地内部の廃棄物の安定化度を間接的に推定する手法を提案している。