
久枝 良雄 教授(工学研究院 応用化学部門)
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金属酵素は天然の触媒であり、たとえば人体の肝臓中で働くチトクロームP-450やビタミンB12などが有名である。このような金属酵素は、高活性・高選択的であるが、構造が不安定であり応用範囲が狭いという欠点をもつ。そこで、タンパク質の代替としてのナノ空間材料と金属錯体等の組み合わせによりハイブリッドナノ組織を創製すれば、天然酵素を凌駕する機能をもつ触媒系の開発が可能となり、革新的触媒の発見につながる。たとえば、ビタミンB12-二酸化チタンハイブリッド触媒は、紫外線を照射することにより、二酸化チタンがビタミンB12を活性化し、環境汚染物質の1つであるDDTやトリハロメタンを分解することができる。